みんなちがって、みんなダメ に出てくるバカの数を調べた結果(中田考 著)【リベラルはバカ】

投稿日:2019年8月3日
更新日:

「宗教を知らなすぎるのは良くないなぁ」とお勉強で池上彰の本や児童書など読んでた中で出会った1冊「みんなちがって、みんなダメ」。これはすごい。

この本はイスラム教を研究する第一人者、中田 考がひたすら「バカ」を連呼してる内容。イスラム教について噛み砕いて知れたら―と手に取ったが、これ1冊では砕かれ過ぎていて分からない、考え方は分かる。

それよりも本として面白過ぎた、個人的には間違いなく★5の満点評価。しかしAmazonなどのレビューでは賛否両論で、それもまたうなずける。なのでまだ読んでない方は、自身の価値観と比べて読後にどう感じるかぜひ体験して欲しい。

ちなみに、やまもといちろう氏は絶賛だ

表紙デザインや、パロディ的タイトルから分かる通り、読むハードルをいかに下げるかに水準が落とされているので、読みやすいです。

ということで、僕もどうやって手に取るハードルを下げるかに着目したレビューを行います。誰でも読みやすいですが、誰でにでもはお勧めしません!

みんなちがって、みんなダメに出てくる「バカ」の数

この本を一言で表す

イスラム教 研究の第一人者がひたすら「バカ」を連呼してる内容

どれぐらいバカと書かれているか目視で数えたら、208回出てきた。数え間違いがあったとしても一般的に193ページほどの書籍に出てくる言葉の量ではない

どうしても勢いに笑ってしまう。一部紹介する。

ただ、何度も言っているように、バカにかぎって、自分をバカだと思っていないという傾向があります。自分をヘビだと思っているミミズです。それを抑えるのは規範や伝統宗教の役割だったんです。でも、それが近代になって崩れてしまって、バカをつけ上がらせるようになった。それがリベラリズムです。リベラリズムはバカを助長するシステムです。

p122 バカと魯鈍とリベラリズム から

【リベラルはバカ】と主張する文章に4回バカが出てくるので、もう相当なバカだと言いたいのが分かります。

でもこれが「平等」であり、例えば映画フルメタルジャケットで鬼軍曹がお前はクソだと毎日言うようなソレとは異なるわけです。

バカの数内訳

  • まえがき:6個
  • 1章:70個
  • 2章: 4個
  • 3章:32個
  • 4章:52個
  • 5章:44個
yotta
2章で冷静になってるの笑うw

正規分布の8割(普通の人)に向けて熱く一生懸命バカなんだよと諭されます。

人を見る視点の高さがポイント

レビューで賛否あるのは、自分を生きている人と生きていない人で感じ方が変わるのだと思う。視点がみんな違う。

本で、正規分布の8割りがバカ(普通)だと説明されていましたが、ここで俯瞰するのが面白くなるポイントなので分かりやすくします。

8割のバカ:統計的基準で一定の幅にいる人

例えばIQ100の人が「普通(normal)」と線引きされています。100の人が中央になっているルールで、数が多い大衆です。

IQ100を中心にして真ん中に数が多いので、釣り鐘みたいな左右対称の山なりになります。これ正規分布と言われています。

正規分布のイメージ

正規分布のイメージ(偏差とビジュアルの不一致は技術力不足です)

このとき、IQ70を示す子どもは知的障害と推定されます。

正規分布で、一定の幅より落差が大きいので「統計的基準」という枠から見た、社会がその人に境界を作るルールでみんな生きています。

IQ70以下を示す人にとっては、普通が多くその圧がしんどいから平等ではありません。普通に合わせるために特殊教育の対象とされます。

統計的基準は2つの良い点・3つの悪い点がある

  1. 数値で比較しやすい
  2. 客観的

統計的基準は、数の多い普通にとって境界を作って分かりやすい2つの「良い」点があります。

そして同時に3つの問題もあります

  1. 境界の数値を誰がどう決めるか?
  2. 数値の境目で変化する場合は?
  3. じゃあIQ130は異常か?

IQ130は統計的基準では「異常」です。しかしIQ130を正常の100に戻すような試みは実際のところ行われません。ここに、「○○は良い・〇〇は悪い」という価値観の物差しが入ります。俯瞰して高いところから人を見ていたのが、一気に「点」になります。

価値観の物差しは時代やその時の文化・法律で変わる。価値的基準と言われています

価値的基準では優しすぎる異常の問題がある

普通より「優しい人」は異常でしょうか?それとも正常でしょうか?

これはその時々の背景で変わります。背景とは「文化・社会・法律など」です。

例えば戦争中の時代では、「優しすぎる異常」は犯罪者として投獄されるし、勇敢に多くの敵を討った者は評価される。

  • 優しすぎる異常:犯罪者
  • 優しくなさすぎる異常:英雄

本で書かれているのは、現代は人の目線がどうなっているでしょう?という提起から、"教育"のおかげでバカ目線で物事を見すぎなんだよという主張、そしてじゃあ日本人におさまりがいいのは?という流れです。

個があって周りを考えるか、標準の偏差から外れる人も包括して1と考えるかの違いは、レビューにも異なりが現れていて、それが「教育」のたまものだと。

俯瞰したら、生きづらさが見える

これは僕のイメージです。「みんな違ってみんないい」日本の視点はこんな感じです。

「日本人枠」で見ていますから、一部を拡大すると発言が見えてきます。

大きな日本帰属があるけど個性でボコボコになってるのが日本人です。それぞれの山の頂上にいるのが小さな枠の「バカの王」。「みんなちがって、みんないい」なんつって声がわりと大きくなります。

その影響で、帰属感の相違(価値的基準や統計的基準)が生きづらさになっている人もいる。アドラー心理学が流行る理由でもあり、首をかしげる人もいます。

みんなちがって、みんなダメは「イスラム教のモノの見方」

「みんなちがって、みんなダメ」はイスラム教の本ですが、細かいことはあえて書かれていません。ふんわりでも解説書として手に取ったら当てが外れました。本はイスラム教の視点を知ってた方がより面白いので、僕が知ってるイスラム教のモノの見方を書きます。

yotta
一夜漬けレベルの知識で語りますので間違いあればお手数ですがご指摘願います

イスラム教は、指標がすべて「神の教え、行動規範を守っているか」でまとまっています。

ムハンマドが説いたイスラーム(コーランとハディース)という行動規範をいかに守っているかでいい。カリフは預言者の代理人で、正しくコーランを伝える人です。

言うたら、正規分布の頂点から出てくるのが「カリフ」で、みんなコーランに沿う事で一部を拡大しても凸凹になりません。

すみません、中心は最も数が多いなので「頂点=カリフ」は間違ってます。

正規分布に入らないヒトは、関係ない存在となる。コンセンサスが神(終末の日)に向けて最強の普通を目指しているので、完結しています。

しかしながら、中の人達が寛容と規範の線引きの考え方で割れていて、外から見たら過激派がかなり無秩序的に見える。実際怖いし。神のみぞ知るの怖さかと

 

本ではこういう話はほぼ書かれずに、イスラム教ではない日本でどうするか大胆に帰結していますので、ぜひ読んでみて欲しい

この本を薦めない対象

子どもや若い人にはこの本を勧めたくないです。表立って布教はしていない本ですが、ただ刺激が強すぎる。

「劇薬人生論」と表紙に書かれている通り、薬になるので「生きづらさ」のある大学生より上の世代が読むには良い。しかし、この本だけ渡すのではなく例えば「君たちはどう生きるか」とセットで渡してフェアかなぁと。

僕のオススメ対比本は「苦しかったときの話をしようか」です。

森岡毅氏が「自分がナスビなのかキュウリなのか」について軸を以て気付け!とストレングスファインダー的なことを語っていて、ナスビならナスビに適した土壌で立派に努力を積み重ねよ!と熱く語っている裏で、みんなちがってみんなダメで書いてある「ヘビにはヘビ、ミミズにはミミズの生き方」の対比は面白い。

どちらも自分を知って「らしく生きろ」と言って、可能性を語る方と、可能性を否定する派でこうも違うかと笑えてくる。成功者として生き残る一粒に向けて書いているか、8割を救うように書いているかなので、同じ風ですが、全然違う。

いわく"西洋に教育された日本"という現実世界でイスラム教の考えを伝える難しさを半端な僕は勝手に考えてしまう。でも個人的には「みんなちがって、みんなダメ」を良い本だと思ったし、紹介しないのは悪だなぁとこんなレビューは残している次第です。

普段から僕も人間はポンコツだ!って言う口なのでアレですが、著者のように「バカ!バカ!」と言うより、「足るを知る」ぐらいの言葉が優しいかなぁと客観視できました。

 

視点感度のアップデートな位置づけで、次の本が最近よかったです。

「アイデンティティが人を殺す」を読んで、僕にできることってなんだろう?を問う

たくさんの帰属を持って生きるアミン・アマルーフさんが書いた「アイデンティティが人を殺す」という本を読んで、他文化の一個人の考えとモヤモヤが繋がったなぁと思ったし、そういうのが最近やたら多い。 モヤモヤ ...

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