タル・ベーラ監督「ニーチェの馬」を見た感想。あなたはカット数30に耐えられるか

タル・ベーラ監督「ニーチェの馬」感想、カットが少ない長回しで撮られた終末を魅せる映画

一言で表せば「本質をかく語りき人が好きそう」と言われそう。でも別に宗教や哲学は詰まってると思えないし、ただ怖いなぁと感じるか、感じる前に思考を停止したかに分かれるだけなのでは?と。

  • 長回しについて
  • この映画がおすすめな人

未視聴の方に向けて書き残したいと思います。

ニーチェの馬は長回しがポイントである

わりと異質な映画であることを前置きます。

ニーチェの馬は長回しで撮られていて、2時間34分(154分)の中でカット数は30に満たないそうです ※参考

これは154分の映像で30カットだとしたら、1つの場面を5分間隔で見続けるイメージ。具体的には、父と娘が向かい合ってジャガイモを食べるシーンを5分間その場で動かず見続けることを強いられます。

参考

参考までに、一般的なハリウッドの2時間映画はカット数が1000くらいはあって、2000台からカット数が多い認識になり、アクション映画のワイルドスピードやボーンシリーズは3000カットを超えてきます。

  • 普通の2時間映画:1000カット
  • 大台の2時間映画:2000カット
  • カット数がウリ:3000カット超え
  • ニーチェの馬:30カット

芋を5分かけて食べるシーンもハリウッド映画なら9秒ごとに様々な角度からコマを切り替え魅せてくるでしょう。

長回しで撮られた30カットに満たない「ニーチェの馬」の異質感が伝わりますでしょうか?

長回し(ながまわし)は、カットせずに長い間カメラを回し続ける映画の技法。

Wikipedia 長回し

ウィキペディア曰く「カメラを回し続けることで、役者の緊張感や映像の臨場感を維持し続けることができる効果のある撮影技法」が長回しで、つなぎ目がなく、編集のないリアルさみたいなのを体感できるイメージで良いかと思います。

例えばアクションシーンで長回し(風)な映像だと息継ぎする間が無くなりカッコよさがマシマシになる。キングスマンの教会で行われる銃撃戦シーンみたいなのをイメージして語っています(長回しかは定かでない)

長回しに耐えられるか

ようは、何と言うか人によっては冗長的であるかと思います。切り取ってそのまま見ることになるので、時間を贅沢に使って小さな変化を楽しまざるを得ません。

湯気が立ち昇り、指先で支えるように持って、口に運んでいたジャガイモが、次の日には、手のひらでゴロゴロしながら、片手で握りしめて口に運ぶようになっている。

それを楽しめるか、です。

でも安心して欲しいのは、ソレらを抵抗なく受け入れられるクオリティが詰め込まれている点

  • 他人の子供の成長記録
  • 運動会で走っている姿
  • 結婚式の映像

こんなのは常人では耐えられません。

人の旅行映像を見せられるような例えを考えるだけでゲンナリしてしまう、そんな無編集ムービーをずっと見せられるわけではないのです。

一つの家族が終わりに向かうまでの今までの人生が詰まっているので、2時間以上でもガッツリ入ってきます。5分イモを食べる映像をなぜか楽しめる凄みを体感できる。なので著名人からの評価もすごく高い映画なのは頷ける。

Youtuberと無編集

今はYotouberも一周回って人となりが出るのがウケて無編集が評価高かったりしますよね。

編集・編纂が当たり前化しているコンテンツを受け取る場合には、手を加えてない風に魅せることで「物語性」や「近さ」を見る側に補完させてるんでしょうか。意図があろうとなかろうと「背景」を画面の中に作るのが長回しの良さだと思います。

一部で話題のN国はオープンでナラティブですね。おっさんが行う配信で同時接続が1万3000人超えるみたいですよ。脳内保管を作るのに共通言語を上手く使う人は興味深いです。

 

以上を踏まえて、ニーチェの馬はガッツリ2時間半長回しで、カットも少ない、セリフも少ない、大衆向けな抑揚もありません。終末に向けての6日間を切り取ります。なのに2時間見続けられる。それが凄いと思えるか否かで、見る人は絶対に選びます。とりあえず「面白い」なんて感想は出てこない。

ニーチェなんて出てこないから若い人に見て欲しい

「神は死んだ」として、人生は意味のない繰り返しだから意味を見つけろと言ったフリードリヒ・ニーチェは映画には出てきません。

原題は「The Turin Horse(A torinói ló)」で、トリノの馬っちゅータイトルが正しいですが、コンテクスト高すぎるので、いっそニーチェ知識ある人に寄せてったのはアリ寄りのあり。

でもニーチェ出てきません。ニーチェの妹的な超人ポジションの人が絡んだりして抑揚があるわけでもない。つまり知識必要ありません。

永劫回帰の中で、終末に向かう親子と馬がいます。異常な強風、荒れ果てた大地、イモだけが食べ物で、しかも仕事してくれない馬と、右手が不自由な父、謎の異常気象などなどてんこ盛り状態があるだけ。

スポットライトが消えゆくように先細ってくのみ。

 

僕は「頑張れるうちに頑張らなきゃダメ」だとなんだか勇気づけられました。闘うのが生きるってことかなと思いましたし、それを選ぶか選ばないかも人生でしょうね。これからの日本を憂い、若い人ほどニーチェの馬はいいんじゃないかな?って思いますが、どうなんでしょう。

個人的には若い人がこの映画を見て、ニーチェの馬ごっことしてリンゴを前に置き、手でこねくって、「食え」「食わねばならぬ・・」と言って、間を作ったあと、「シャクリ・・」と音を立ててかじる

そんなモノマネを人前で披露する勢いで生きて欲しいです。僕なら生のジャガイモでやりますけどね。伝わらないモノマネ100のうちの一つがニーチェの馬です、みたいな。

ルービックキューブの面白いgifあるじゃないですか、真顔でスピーディにルービックキューブを完成させない。ああいう映画です。コレは意味なんて無いですよ。

ニーチェの馬

ニーチェの馬 (字幕版)
再生時間:
2時間34分
公開:
2012
おすすめ度:

どこかの田舎、石造りの家と命をつなぐ古井戸。そして、疲れ果てた馬と、農夫と、その娘。暴風が吹き荒れる6日間の物語。(C)2011 T.T.Film, MPM Film, Vega Film, zero fiction

余談になりますが、幻の映画「サタンタンゴ(タル・ベーラ監督)」がなんと劇場公開されているみたいです。上映時間7時間18分。そしてカット数は150!!!興味だけはありますが、心が追い付きません。

そして今回感想を書いた「ニーチェの馬」、実は2回目の視聴にして初めてすべて見ました。

若い人に見て欲しいなーなんつって、ぼくは若いときに見れなかった映画がニーチェの馬です。今回サタンタンゴでタル・ベーラ監督を思い出して見てみました。素直に良かったです。なんだか贅沢な映画を楽しめる体になってしまいました。

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